305bbcaa.jpg スギ、ダニのアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法について、効果発現メカニズムや薬の飲み方など、いくた小児クリニックの生田先生が詳しく説明してくださいました。

いくた小児クリニック 院長 生田 孝一郎
2019年4月8日

スギ・ダニ舌下免疫療法(保険適応)

スギ・ダニ舌下免疫療法の効果発現メカニズムは次のように考えられています。

免疫療法の実施により、日常生活で取り込まれる量より多い量のスギ・ダニが体内に入ると

①過剰な免疫反応をおさえる細胞が活性化する。
②アレルギー反応をおさえる細胞が増加する。
③アレルギー反応を促進する細胞の増加をおさえる。
④アレルギーを防ぐ抗体が増加する。
などの反応が引き起こされると考えられています。

このように免疫反応が変化することで、効果を発現すると推測されています。日常生活で取り込まれる量より多い量のスギ・ダニが体内に入ることにより体が慣れていくと理解していただければと思います。

スギ薬剤(舌下シダキュア錠)の使用量および回数

投与開始後1週間 1日量 2,000JAU(1錠1日1回舌下)
2週目以降    1日量 5,000JAU(1錠1日1回舌下)

ダニ薬剤(舌下ミティキュア錠)の使用量および回数

投与開始後1週間 1日量 3,300JAU(1錠1日1回舌下)
2週目以降    1日量10,000JAU(1錠1日1回舌下)

どのように飲むか?

  • 初回の使用は、医師の監督のもとで行います。使用後少なくとも30分は安静にしていてください。
  • 舌の下に錠剤を1分間保持した後、飲み込みます。(錠剤を舌の下に置くと唾液で溶けてなくなりますが、薬の溶けた唾液はすぐに飲み込まず1分間舌の下に保持してください)
    ※1分間保持できずに飲み込んでしまった場合、その日は再度服用せず、翌日改めて前の日の量を服用してください。
  • 飲み込んだ後、5分間はうがいや飲食を控えてください。
  • 服用を忘れた場合決して2日分を1度に服用しないでください。 その日のうちに気がついた場合は、その日の量を服用してください。
  • 治療開始時期はスギ花粉飛散期は避けるため6月から12月となります。開始した後はスギ花粉飛散期も継続します。ダニはどの時期からでも開始できます。
  • 数年間(3~5年)にわたり継続して服用します。

この薬の使用中に気をつけなければならないことは?

  • この薬を服用後30分、投与開始初期、スギ花粉飛散時期はアナフィラキシーなどの発現に注意してください。
  • この薬を使用する前後2時間程度は、激しい運動、飲酒、入浴などは避けてください。
  • この薬の使用開始初期(およそ1ヵ月)に、口腔内の副作用(咽喉刺激感、口腔浮腫、発声障害、蕁麻疹など)があらわれることがあります。

妊娠中または妊娠の可能性がある人は医師または薬剤師に相談してください。

  • 授乳中の人は授乳を避けてください。

長期にわたり正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。 


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2019年04月08日 │ コラム │ コメント(0)

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