305bbcaa.jpg現在大きく変わりつつあるアトピー性皮膚炎の治療。新しいプロアクティブ療法について、西鎌倉こどもクリニックの下田先生からの情報です。

西鎌倉こどもクリニック 院長 下田 康介
2013年2月22日

先日、東京で、フィンランドのヘルシンキ大学皮膚科教授の先生の講演を拝聴してきました。国立成育医療センターのアレルギー専門の先生も参加されていました。今、アトピー性皮膚炎の治療は、大きく変わろうとしています。

ステロイド外用薬についてその使用に懸念をもたれているお母さんたちも多いと思いますが、元来ステロイド外用薬は医師の診療、指導のもとに使用すれば、有用な治療手段です。

しかし、タクロリムス軟膏(商品名プロトピック軟膏0.03%小児用)の出現によって革命的な変化が起こっています。タクロリムス軟膏はステロイドではなく、免疫抑制剤のひとつです。発売当初は、ネットなどでタクロリムス軟膏を使うと皮膚癌やリンパ腫の発生頻度が高くなるなどの「バッシング」が医師ではない人たちによって盛んに行われましたが、ユーロ圏諸国の合同調査などの研究で安全性が証明されています。日本ではまだ2歳未満の乳児では使用は認められていませんが、フィンランドなどではひろく使用されています。

タクロリムス軟膏単独、あるいはステロイド外用薬とタクロリムス軟膏との組み合わせによる「プロアクティブ療法」が、「革命的な変化」のことです。「プロアクティブ」というのは、悪化する前に普段から、保湿剤など皮膚のバリヤ機能をケアするものとタクロリムス軟膏を組み合わせて皮膚の状態を良く保とう、という意味です。

今までの治療は、「リアクティブ療法」、つまり皮膚炎が悪くなったらステロイド外用薬のグレードをあげたり、その使用量を増やし、よくなったらスキンケアのみで経過を見るというやり方でした。これでは、数年など長い期間で経過を見ると、悪化したときのリアクションであるステロイド外用薬の使用量が増えてしまいました。またプロアクティブ療法に比べて、悪化する頻度が多くなることがわかってきたのです。

詳しくは皮膚科の専門医あるいは小児皮膚科学会の会員で診療経験のある小児医にご相談ください。

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2013年06月18日 │ コラム │ コメント(1)

この記事へのコメント

7. Posted by コソガイスタッフ   2019年04月02日 20:11
甲斐からご連絡くださった方へ。
このブログは「鎌倉病院情報」を運営する「鎌倉子育てガイド」が記載しています。
記事は下田先生を取材したものですが、
西鎌倉こどもクリニック及び下田先生が直接運営するものではなく、
コメントも下田先生のところに届く仕組みではありません。
どうぞご理解くださいませ。

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