305bbcaa.jpgワクチン接種で防ぐことのできるおたふくかぜ。合併症として1.5〜2万人に1人の割合でおこる特徴的な名前の難聴について、にしかま耳鼻咽喉科診療所の長谷川先生にお伺いしました。

にしかま耳鼻咽喉科診療所 院長 長谷川 武
2009年9月8日

●ムンプス難聴について

おたふく(流行性耳下腺炎、mumps)による合併症でおこる難聴のことです。ムンプス難聴の出現はおたふく罹患症例の1.5〜2万人に1人といわれています。耳鳴が先行し、突発的に難聴がはじまります。耳下腺炎は両側性でも一側耳が罹患することが多いです。このため、親はかなり後になるまで子供の難聴に気づかないことが多いのです。おたふくはだいたい保育園や幼稚園へ行きだした頃に友達と移しっこをして罹患するものです。任意ですがワクチン接種を受けられているお子さんもいます。一側耳が聾になっても片側耳が正常に聞こえていますと、ご両親に「聞こえない」と訴えることがなく、小学校の就学時検診で高度難聴が発見されるケースがほとんどです。1〜2日で聾に達しますため、ステロイド加療をしましてもなかなか効果が認められません。

私は5年前まで大学病院に勤務をしておりました。勤務医の頃は近隣の医療機関から紹介を受ける側でしたので、ムンプス難聴症例に遭遇する機会がありました。それでも年に数える程でした。開業医になりますとおたふく罹患者1.5〜2万人に1人なのでなかなか遭遇する機会は減りますが、先日当院で1例経験いたしました。

●おたふくかぜ生ワクチンについて

任意接種であり、1歳以降の希望者に1回接種です。一時期はMMRワクチンとして定期接種に近い形で接種が行なわれましたが、おたふくかぜワクチンに伴う無菌性髄膜炎の発症頻度が予想外に高かったために中止され現在に至っています。現在国内で接種されているおたふくかぜワクチンの無菌性髄膜炎の発症頻度は 約2000件に1件で、自然感染のおたふくかぜに伴う頻度(約80例に1例)よりも低くなっています。

おたふくの予防法はワクチン接種のみです。従いまして、ムンプス難聴の確実な予防もワクチン接種のみであります。耳鼻咽喉科医の立場からしますと、おたふくかぜ生ワクチン接種は任意接種でありますが是非とも受けて頂きたいと思います。小学校低学年までは急性中耳炎に罹患しやすい年齢であります。中耳炎はその度きちんと加療をしていれば、難聴が残ることはありません。中耳炎を繰り返して難聴が残り、不運にもその後ムンプス難聴に罹患し、まだ幼いのに補聴器装用をせざるを得なかったお子さんを勤務医時代に何人か診て参りました。

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